【シドニー13日AAP】 シドニーのパブなどで一定時間以降に入店を拒否する「ロックアウト法」の見直しが報告された。同法によってキングスクロスや市中心部の安全が高まった一方、報告では法の緩和が推奨された。
見直しを主導した元連邦最高裁判官のイアン・カリナン氏は、ライブエンターテイメント・スポットでの午前1時半の入店拒否と午前3時の酒類最終販売を、試験的に2年間それぞれ30分延長するようNSW州政府に推奨した。また、午後10時の持ち帰り用酒類販売を午後11時に延長し、酒類宅配も午前零時まで可能にするよう提案した。同法導入以降、病院の救急科訪問数が減少し、暴力行為が別の地域に流れることもなかったとカリナン氏は認めた一方、雇用や街の活力に影響を及ぼしたとの見解を示した。
グラント州副首相は報告を受け、「今年中に対応を決定する」と述べた。
ロックアウト法は2014年、シドニー中心部で相次いだワン・パンチ事件を受けて導入された。同法によってシドニーのナイトライフが破壊されたとして、今年の反対運動には1万人以上が参加した。一方、医師やワン・パンチ犠牲者の家族らは、同法の維持と州内各地への拡大を求めている。