【キャンベラ21日AAP】 オーストラリアのテレビパーソナリティで、アルツハイマー病のアンバサダーであるイタ・バトローズさんが、アルツハイマーの日となっている21日、オーストラリアの高齢者ケアについて自身の見解を語り、「(お金を)持っている人と持たない人の二分化が起きている」と政府の高齢者政策を批判した。
バトローズさんはオーストラリアの高齢者向け介護施設について、サービスの質に関する基準がなく、入居者への配慮が十分でないと指摘。「面倒をみてもらい、体を洗ってもらい、飲み物ももらうが、それだけでは不十分」と述べ、政府による補助金カットは介護の現実に目を向けていない証拠だとしている。
オーストラリアには痴ほう症の患者が35万人おり、医療機関および介護施設で毎年約50億ドルのコストとなっている。バトローズさんは、症状の進行を遅らせたり、治すための研究にさらに予算を割かなければ、2060年までに痴ほう症に関するコストは830億ドルにまで膨れ上がるとしている。さらにバトローズさんは、「適切なサポートがあれば、患者も有意義な人生を過ごせる」との見解を示した。