【メルボルン27日AAP】 連邦政府のブランディス司法長官は、オーストラリア国内の刑務所に収監されている先住民族の割合が常に高い割合であることについて、「国家の悲劇」だとして警鐘を鳴らしている。またオーストラリア司法改革委員会は、このことに関して調査を実施する意向を示した。
オーストラリア国内の刑務所における先住民族が占める割合は、1991年は全体の14%だったが、2015年には27%にまで上昇した。ブランディス司法長官は25年前に王立委員会において、刑務所における先住民族たちの死亡事例が報告されて以降、状況は改善されるどころか、逆戻りしていると指摘した。
また収監される子どもやティーンエージャーの割合は、先住民族のほうがそうでない子どもの24倍、女性では先住民のほうがそうでない女性の30倍となっている。ブランディス司法長官は、「これらの数字は、政策の失敗と改革の不十分さを示している」と述べ、最善を尽くしているつもりでも、何も進歩していない場合もあると指摘した。