【シドニー1日AAP】 NSW州で、癌専門医が規定量以下の化学療法剤を患者多数に投与したとされ、審問が行われた。ジョン・グリジール医師は「規定より少ない薬剤を投与していたのは、自分だけではないと思う」と述べ、セント・ビンセント病院に勤務する他の医師らも著しく少ない量の化学療法剤を投与している可能性をあげた。
今年初めに行われた調査の結果、シドニーおよび州中西部で、グリジール医師の患者100人以上が規定量以下の化学療法剤を投与されたことがわかった。
グリジール医師は「影響が出た患者はいない」と述べ、治療ガイドラインを無視したことについて、謝罪を拒否した。2006年にガイドラインが導入されたが、同医師はその12年前に投与量を設定したとして、「患者にも、ガイドラインの推奨用量より少ない量を使うと伝えた」と主張した。さらに、規定外の投与量について2006年に上司が気付いており、2015年の病院内調査で影響を受けた患者がいなかったとして、今年2月の報道で「不意打ちをくらった」と話した。
グリジール医師は唯一、セント・ビンセント病院から解雇された。同医師は病院に対して不当解雇を申し立てている。