【シドニー14日AAP】 NSW州中西部オレンジで12日に行われた補欠選挙で、70年近くにわたって同選挙区を制してきた国民党が大幅に支持を失った。これを受けて、同州国民党党首と州副首相兼任のトロイ・グラント氏が辞任を発表した。
今回の補欠選挙で、狩猟・漁師・農家党が議席を獲得する可能性が出てきた。残り204票の開票を待つなか、2党比較では同党のフィル・ドナート候補者が50.3%、国民党のスコット・バレット候補者が49.7%。国民党から流れた票は35%に上り、グラント党首は15日に党首選に直面するところだった。国民党が支持を失った主な理由にカウンシルの強制合併や、今や撤回となったドッグレース禁止法があげられている。
グラント氏は「混乱が続くのを避けたい」と述べ、辞任は自らの意思によるものだとした。州国民党副党首のエイドリアン・ピッコリ州教育相も辞任するという。NSW州南部モナロのジョン・バリラロ議員が同州国民党の党首代行を務め、州副首相に就任するとみられる。
保守連合政府のベアード州首相は、グラント氏の辞任を悲しむとして選挙責任を認めた上で、カウンシル合併の撤回はないと断言した。