【シドニー21日AAP】 スーパーマーケット大手のウールワースとアルディは、米国で禁止となった殺菌剤トリクロサンについて、自社ブランドの抗菌石けんから除去すると発表した。
米国の食品医薬品局(FDA)は9月、長期使用による薬物耐性菌を懸念し、トリクロサンなど19種の抗菌・抗真菌剤を含むハンドソープやボディソープの販売を禁止した。通常の石けんより殺菌効果があるという十分な証拠に欠け、害のほうが大きい可能性があるという。トリクロサンの研究でも、ホルモン機能への影響、肝臓や腎臓の損傷、発がん性物質である可能性もあげられている。
オーストラリアでは合法だが、製造者らは米国の動きに従っている。アルディは21日、「2017年までに抗菌液体ハンドソープ“Tricare”からトリクロサンを除去するよう、供給元と取り組んでいる」と声明を発表した。ウールワースも同様に、自社ブランド3商品のトリクロサン除去に取り組んでおり、12か月以内に完了する見通しだ。
国内の感染症専門家らは、抗菌薬耐性は世界が直面する健康への脅威だとして、FDAの決定を歓迎した。