【キャンベラ22日AAP】 ドナルド・トランプ米次期大統領は、「就任初日に環太平洋パートナーシップ協定(TPP)から離脱する」との意向を示した。米国のTPP参加なしでは、オーストラリアも数十億ドルの経済的恩恵を逃すことになると予想される。
トランプ氏はビデオ映像で、「TPPは米国にとって災難となる可能性がある」と話した。来年1月20日に大統領就任次第、TPP離脱に向けて動き、二国間貿易協定を進めるとみられる。
発表を受けてオーストラリア商工会議所(ACCI)のジェームズ・ピアソン氏は22日、「TPPの見通しは暗い」とコメントし、次期米政府および他地域の貿易・投資パートナーらと連携していく必要性を訴えた。
ターンブル連邦首相は、APEC首脳会談でもTPPは主な議題であったとして、「米国以外の11か国は、重要な戦略的公約と考える」と話した。シオボ貿易相は、TPPは米国の承認を必要とするが2年の猶予期間があるとして、「TPPのプラス・マイナス面を比較する時間を米国に与え、オーストラリアは発効に向けて動いていく」と述べた。