【キャンベラ25日AAP】 連邦のターンブル首相は25日、ラジオ番組に出演し、IT大手のIBMが今年8月に実施された国勢調査における不手際を認め、連邦政府に対し巨額の賠償金を支払ったことを明らかにした。賠償額については、何百万ドルに上ると報じられているが、具体的な額については明かされていない。
今年の国勢調査では初めてオンラインによる調査が導入されたが、開始日となった8月9日の夜、複数のサイバー攻撃を受けたため、オーストラリア統計局が一時サイトを閉鎖するなど、混乱の続く状況が数日間続いた。連邦政府は「攻撃は完全に予想がついた」として、IBMの不手際を強く非難し、責任問題を追及していた。IBMはサイバー攻撃などの問題を回避するため、政府から巨額の報酬を得ていたという。ターンブル首相は「教訓から学んでいくつもりだ」と述べた。
この問題では2つの調査委員会が設置されたが、そのうちの一つを担当したマクギボン氏は、データには被害が及ばなかった一方、調査に対する国民の不信感を招いたことが最大の被害との見解を示した。さらにマクギボン氏は、様々な手続きにオンラインサービスが導入されるなかで、個人情報などの安全性を確保することが、政府への信頼を得ることにつながると指摘している。