【シドニー5日AAP】 オーストラリアの科学者らは世界で初めて、歯周病を予防・治療するワクチンの開発に成功した。歯周炎患者に対する臨床試験は2018年に開始される見通しだが、医療雑誌「NPJ Vaccines」内で同ワクチンの有効性が立証されている。
歯周炎は、歯と歯茎の間にたまる歯垢からバクテリアが増殖することによって発生する。歯茎に流出した毒素によって歯肉組織が破壊され、最終的には歯を失うことになる。現状は、歯垢を手作業で取り除いて治療が行われている。国内の成人3人に1人、65歳以上では50%以上が中~重度の歯周病を患う。
メルボルン大学の科学者らは、細菌「ポルフィロモナス」の表面のタンパク質がワクチンに使えると発見した。エリック・レノルズ名誉教授は、「歯垢除去も有効だが、バクテリアの再発によって完治には至らない」と話し、ワクチンによって多くの人の生活の質が改善されるだろうと期待を表した。