【シドニー9日AAP】 オーストラリアのボブ・ホーク元首相は9日、シドニー大学で名誉学位の授賞式に出席した。経済改革、環境保護、メディケアを含む複数の改革を指導した功績を称えての学位授与となった。ホーク元首相はスピーチを行い、海外から核廃棄物を受け入れるとともに、先住民の生活向上を図るべきだと訴えた。
今年87歳となったホーク元首相は現在も改革に意欲的で、スピーチの中で「我々は人類の生活の質を向上させる能力がある一方、これを破壊する能力も持っている」と述べ、地球温暖化を克服するためには、エネルギー資源として核エネルギーを排除できないとする考えを示した。
ホーク元首相はまた、オーストラリアが海外から核廃棄物を受け入れ、これによって生み出される収入を先住民族の生活向上のために使うべきだと提案。保健、教育、生活のほか、刑務所への収監率や平均寿命において、先住民とそうでない人の差が依然として大きいことはオーストラリア史上の汚点であり、これを是正する努力がなされるべきだとする見解を示した。