【キャンベラ2日AAP】 トランプ米次期大統領がイスラエルの米国大使館を移動させる意向を示したことを受けて、前連邦首相のトニー・アボット氏は、オーストラリアもこれに倣うべきとの見解を示した。
アボット前首相は雑誌「The Spectator」で、「トランプ氏に続くことで、イスラエルへの揺るぎない支持を示すことができる」と述べた。ビショップ外相はこれに対し、「テルアビブのオーストラリア大使館をエルサレムに移動する計画はない」と否定した。
また、オーストラリアは国連機関などを通してパレスチナ自治区に年4000万ドル以上援助しているが、アボット氏は「テロリストと家族に年金を渡している」と話し、援助を中止すべきとの考えを示した。外務省は昨年、基金が過激派組織に流れているという疑惑を受け、慈善団体「ワールド・ビジョン」によるパレスチナ管轄地区での支援を中止した。
野党労働党のボーウェン党首代理は、「中東の平和を推進し、過激思想と戦うためにパレスチナ支援は不可欠だ」と述べ、「明らかにターンブル首相を攻撃して自由党のリーダーシップを取り戻そうとしている」とアボット氏を批判した。