【キャンベラ5日AAP】 インドネシア軍が、オーストラリアの特殊部隊が使用していた訓練教材に、インドネシアを侮辱する内容が含まれていたとして、軍事協力を全面的に停止することを発表した。これを受けて連邦のペイン国防相は、問題を速やかに解決し、協力関係を再開させたい意向を示している。
情報によると、パースの特殊部隊で使用されていた授業教材には西パプア州についての記述や、インドネシア国家のイデオロギーであるパンチャシラ思想を侮辱する内容が含まれていたという。ペイン国防相は、昨年11月には問題を把握していたが、豪軍の参謀総長が対応していたとされ、同国防相は今週になって、インドネシア政府の国防相に書簡を送ったとみられている。
ペイン国防相は、インドネシア政府の懸念を真摯に受け止めるとした上で、「教材の調査、関係者との面談を行い、インドネシア政府からも意見を求める」と述べ、これにある程度の時間を要するとの考えを示した。一方、軍事協力の停止を受け、インドネシアの防衛大生によるオーストラリア訪問が中止となったほか、今後予定されている多国籍軍事訓練にインドネシア軍が参加するかについても、今のところ未定となっている。