【シドニー27日AAP】 人種差別に関する調査の結果、移民よりも先住民族のほうが日常的に差別されていることがわかった。調査は26日夜放送されたSBS局のドキュメンタリー番組「Is Australia Racist?」用に、2015年7~11月にかけてウエスタンシドニー大学が6000人を対象に行った。
アボリジニやトレス海峡諸島民のおよそ3分の2が「無礼な扱いを受けた」と答え、国外で生まれた回答者のおよそ半数が、「日常的に差別行為に耐えている」と答えた。先住民や英語以外の言語を話す人の半数以上が、職場や学校、店やレストランで差別行為を受けたと訴える。移民では中国や韓国など北東アジアが最も差別される傾向が強い。
信仰別では、仏教徒の4分の3と、イスラム教徒の70%が公共交通機関や路上で差別の標的にされた経験を持つ。また、イスラム教徒では男性よりも女性のほうが公共交通機関や教育機関で差別される傾向にある。さらに、回答者の3分の2近くが「イスラム教徒に不快感を持つ」、4人に1人が「親戚とイスラム教徒の結婚を非常に懸念する」と答えた。一方で、4分の3の人が「文化や人種を理由に差別されているのを目撃したら対応する」と回答した。