【シドニー3日AAP】 オーストラリアのジョン・ハワード元首相は3日、シドニーで開かれたオーストラリア経済開発委員会(CEDA)のフォーラムに出席し、現在、国際社会は「国家主権」を回復する流れに向かっているとの考えを示した。また、その事例の一つとして「英国が欧州連合からの離脱」を挙げ、これを喜んでいると述べた。
ハワード元首相は、「英国民は正しい決断を下した。私は彼らの決断を、国家の主権回復や自国のことは自分たちでコントロールしたいという叫びとしてとらえた」と述べた。さらにトランプ大統領が選出されたことについて、「政治的正当性が溢れ返った状況」に多くの米国民が怒りを感じていたことが背景との見解を示した。
さらに元首相は、オーストラリアの情勢について「政治的に大変厳しい時期に差し掛かっている」とした上で、「上院の無所属議員の多くがグリーンズ(緑の党)となっており、分裂した状態だ」と述べた。さらに、自身が政治の世界に足を踏み入れた頃は、無党派票の割合が20%だったが、現在は40%に増加しているとして、自由党は「よそ者を受け入れないクローズドショップのような状況となっている」と指摘した。