【シドニー27日AAP】 シドニーで、医師による診察で結核症が見逃され、ほかに10人が感染した。NSW州保健局は、今回の出来事による結核の流行を否定している。
デイリー・テレグラフ紙が伝えるところによると、男性(23)は一般医(GP)の診断を3か月にわたって受けたが、3度目の診察でX線検査を勧められるまで肺に穴が開いているとわからなかった。この間に10人が男性から感染した。
州保健局で感染症を担当するビッキー・シェパード氏は、シドニーでの結核流行を否定した。同氏はまた、「結核は国内で比較的稀な疾患であることから、初診では医師にも分かりづらい」と話した。州野党労働党は、医師は症状を認識できるべきだとして、結核の知識をGPが学び直すべきか検討するよう、州政府に求めた。
NSW州は世界でも結核の発症が最も少ない地域の一つ。毎年国内でおよそ1300件が報告され、2016年はNSW州で533件だった。結核は国の届け出疾患であり、診断や治療が遅れれば重症になる可能性もある。今回感染が確認された11人全員が治療中だ。