【キャンベラ31日AAP】 連邦の上院議会は31日、差別行為に対する苦情への対応方法を大幅に見直した改正案を通過させた一方、人種差別禁止法の18C条項の文言を変更し、差別行為をより判定しやすくする案については否決した。
ブランディス司法長官は「改正で、先に起きたオーストラリア人権委員会(AHRC)の悪用や誤用を避け、事務的な機能をさらに改善していくのに、非常に重要な改正」との考えを示した。一方、人種差別禁止法の文言を「怒らせる」、「侮辱する」、「傷つける」から、「嫌がらせをする」、「脅す」に変更する改正案は、反対31、賛成28で否決された。
労働党のショーテン党首は政府に対し、VIC州ではヘーゼルウッド発電所が閉鎖となり、多くの人が仕事を失った一方で、政府は人種差別禁止法を水に流そうとしていると批判。同党首は、上院で否決された法案が「人を傷つけることになっていたかもしれない」と指摘し、自由党が今後も改正案を推すのであれば、労働党も反対キャンペーンを中止しないと述べた。