ビジネス

RBA、住宅ローンの家計圧迫を懸念

【キャンベラ4日AAP】   オーストラリア連邦準備銀行(RBA)は4日の月例理事会で、政策金利を史上最低の1.5%のまま据え置きにすると決定した。

シドニーやメルボルンで特に住宅価格が高騰するなか、ロウ総裁は「住宅購入を主とする世帯借金が、世帯収入の伸びを引き続き上回っている」と指摘。銀行に対し、住宅購入者にふさわしいローンを提供するよう強く警告した。オーストラリア健全性規制庁(APRA)は先月31日、金利のみを支払う住宅ローンを新規ローンの30%に制限するなど、住宅市場で高まる金融リスクへの一連の対応策を発表したばかり。

政策金利据え置きについてロウ総裁は、先月以降の完全失業率の上昇、控え目な雇用の伸び、低いインフレを理由にあげた。AMPのチーフエコノミスト、シェーン・オリバー氏は、「住宅市場を考慮すれば金利を下げられず、引き上げれば経済が持ちこたえられない」と話し、RBAは動きがとれない状態にあるとの見解を示した。

一方、2月の貿易黒字は過去2番目の36億ドルに達した。背景には輸出の1%伸びが考えられるが、サイクロン「デビー」によるQLD州北部鉱山での洪水や、石炭を運搬する鉄道路線の損傷などの影響が含まれていないことから、今後数か月で貿易数字は実質的に悪化すると専門家はみている。

この記事をシェアする

その他のオーストラリアニュース記事はこちら