【シドニー20日AAP】 オーストラリアの国立健康医学研究会議(NHMRC)は、国内で行われる不妊治療(ART)についての規制を改正し、子どもの性別を選択する「産み分け」を国内では認めない方針を明らかにした。産み分けを希望する場合、海外で治療を受ける必要が出てくるとみられる。
オーストラリアでは、25人に1人が何らかのART治療を受けており、NHMRCが発表した2017年のARTガイドラインでは、子どもの性別を選ぶのは「倫理的に容認できない」との判断を示した。男女の産み分けは、医療的な目的でない限りは認められないとしている。
シドニー大学で医学的価値・倫理・法律を研究するヘンドル博士は、産み分けを容認すれば、「男女別の役割」に合わせ子どもを作ってもいいというメッセージを発信することになると指摘。一方、不妊治療の専門家は、家庭内の男女バランスをとる目的であれば、容認してもいいとの見解を示した。