【キャンベラ9日AAP】 連邦政府が国内で働く外国人労働者の基準を強化し、野党労働党も「国民を最初に雇用」と掲げるなか、国際通貨基金(IMF)はオーストラリアに対し、外国人労働者を受け入れ続けるよう勧告した。
IMFは、外国人労働者を労働人口に加え続けることで、年間平均経済成長率を0.5~1%押し上げることができると予想。また、外国人労働者を受け入れることで急速に進む高齢化の影響を緩和できると説明する。増え続ける退職者数を相殺するために、オーストラリアは2030年までに、労働人口のおよそ23%の移民を受け入れる必要があるとという。
IMFは、オーストラリアの経済成長率を2017年は3.1%、2018年は3%と予想。アジア太平洋地域の展望については、最近のデータから世界で最も好況とされるが、短期見通しでは“大きな不安やリスク”の陰りもあるとして、「人口統計学的な課題に取り組み、生産性向上に向けて構造改革を行う必要がある」と指摘した。