【メルボルン6日AAP】 メルボルンで5日午後に人質事件を起こして警察に射殺された犯人の男は、別の犯罪で仮釈放中であったことがわかった。この事件で警察官3人も銃弾を受けており、警察はテロ事件として捜査を行っている。
ブライトンのアパートで射殺されたヤクブ・カイリ容疑者は、中国生まれのオーストラリア人、ニック・ハオさん(36)を射殺後、建物内に立てこもった。同容疑者は、人質にとったコロンビア人女性をエスコートサービスから予約していたことから、故意に警察を誘い出した可能性も考えられる。さらに、同容疑者の足首に装着されたGPS追跡装置も事件中に故意に変更されていたことがわかった。同容疑者は、VIC州イスラム評議会が運営する非過激化プログラムに参加していたとみられる。
過激派組織イスラム国はネット上で犯行を認めているが、警察はこれを軽視している。
ターンブル連邦首相は、「暴力犯罪歴の長い同容疑者がなぜ自由の身にあったのか」と憤りを示した。VIC州のアンドリュース首相は仮釈放制度を見直すとしたうえで、「同容疑者は、薬物検査や外出監視などに従順であった」と説明している。