【メルボルン6日AAP】 7月1日から、国内の最低賃金が週22ドル20セント引き上げられ、週694ドル90セントになる。過去6年で最大となる3.3%の引き上げは、組合側が希望する半分、雇用側が希望する倍以上となった。
フェアワーク委員会(FWC)は、国内の最低賃金労働者230万人が貧困から抜け出すのに十分な引き上げでないと認めているが、すべてのフルタイム勤務者を直ちに貧困から救い出すような賃上げは、雇用に影響を及ぼす可能性が懸念される。
オーストラリア労働組合評議会(ACTU)も、「現在の最低年収3万6000ドル強は、国内で単身はもちろん、家族を支えるのに十分でない」訴える。また、7月1日から予定されている日曜祝日のペナルティレート引き下げによって、小売・サービス業従事者70万人が最低賃金引上げの恩恵を事実上受けられないことになるという。
これに対して小売業協会(ARA)は、最低賃金引上げによってペナルティレート引き下げが無効になったとして、「今後小売業が従業員を増やすまでに時間がかかるだろう」と落胆した。