【シドニー9日AAP】 NSW州中北部コフス・ハーバー近くのソーテル・ビーチ(Sawtell Beach)で9日7時ごろ、全長9メートルのザトウクジラが砂浜近くの浅瀬に打ち上げられているのを、通りかかった近隣住人が発見した。市民ら50人が浜辺に出て、クジラが呼吸を続けられるよう体を垂直に保っているという。
NSW州の公園・野生動植物省の広報担当者によると、打ち上げられたザトウクジラは重さが20トン近くあるとみられ、波が寄せるたびに体が転がされ、危険な状態だという。オーストラリア海洋哺乳動物救助・研究センター(ORRCA)は、クジラを救出できる可能性は高くないとの見方を示している。
ORRCAの広報担当者は、クジラが本来いるべき場所ではないところにおり、波に打たれ厳しい状況だとした上で、「ベストを尽くす」と話した。クジラは大人になる手前の段階で、越冬するために北方へ渡るのは初めてだったとみられる。毎年、約3万頭のクジラが北方へ移動するが、なかには脱落してしまうものもいるという。