【ACT11日】 連邦のフライデンバーグ財務相は11日夜、2021/22年度予算案を発表した。経済は回復しているものの、パンデミックによる負債は2025年に1兆ドル近くに膨れ上がる見通しだ。
今年度の負債は1,610億ドル、来年度は1,060憶ドルと見積もられる。パンデミックのピークに予想された失業率15パーセントは、現在は5.6パーセント。2022年末までに5パーセントを切る見通しだ。経済の実情がわかる実質GDPは昨年度0.2パーセント減少したが、今年度は1.25パーセント増、来年度は4.25パーセント増、その後3年は2パーセント増と予想される。
支出の最重要項目は高齢者介護セクターへの177憶ドルだ。今後2年で在宅介護パッケージを8万人分増やす。居住型介護施設に住む高齢者も、2023年までに1日3時間20分ケアを受けられるようにする。また、介護職員の訓練や業界で働き続けるインセンティブにも予算を充てる。
保育セクターにも、今後3年で17億ドルが追加される。政府は野党労働党の政策にマッチングして、保育料補助を受ける世帯の所得上限を撤廃する。また、同時に2人以上の子どもを保育所に預ける世帯の財政補助を引き上げ、女性の労働市場参加を促す。
2024/25年度に予定される3度目の所得税減税の前倒しを求める声が上がっているが、政府はこれを否定。代わりに低・中間所得層の減税を1年延長する。
国内経済の成長に不可欠だった移民は、国境封鎖によって減少した。2024/25年度までパンデミック前の割合に戻らないとみられる。
バーミンガム金融相は、新型コロナウイルスのmRNAワクチンの国内製造に向けて取り組んでいると明らかにした。費用は明示しないものの、「国内で製造できなければ、ファイザー製ワクチンを輸入し続けなければならない」として、長い目で必要と考える。
ソース : abc.net.au – Decade of budget deficits ahead as government spends billions to recover pandemic-hit economy