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医薬品不足が深刻に 320種類以上で

【20日ACT】  オーストラリア医療製品管理局(TGA)が承認している医薬品のうち、321種類が長期にわたるサプライチェーンの混乱により、不足状態に陥っていることが分かった。これに合わせて、救命に関係する医薬品の供給が、そのほとんどをインドと中国に依存している状況からも脱却する必要があるとの声が上がっているようだ。

 

国内の医師や薬剤師は、TGAが承認する医薬品のうち321種類が品薄となっており、このうち約50種類は非常に深刻な状況にあり、さらに85種類もまた近く深刻な品薄状態になると警告を鳴らしている。不足が懸念されているのは、糖尿病、うつ病、脳卒中、めまい、ホルモン療法用薬剤、抗がん剤などとみられる。

 

QLD州一般開業医王立オーストラリア大学(RACGP)の副学長、キャスリン・へスター博士は、一部の医薬品について不足が深刻化しているとした上で、新型コロナのパンデミックが状況を悪化させたと指摘。一般開業医(GP)は通常、地元の薬局と良好な繋がりがあるとして、患者が必要な薬を用意できるよう協力することも可能だとしている。

 

また、オーストラリア医薬品学会(PSA)の全国会長のシム博士は、医薬品不足はこれまでにも指摘されている“長期的な”問題だが、パンデミックによってさらなる圧力がサプライチェーンにかかった状態だと分析。薬局で販売している風邪薬から、医師による処方薬まで、不足は幅広い医薬品にわたると危機感を示している。

 

ソース:news.com.au-‘Increasing problem’: Australia facing shortages of more than 320 medicines

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