【ACT22日】 オーストラリア税務局(ATO)は、2021/22年度にシャドー・エコノミーと呼ばれる非合法的な市場経済活動や脱税に関する密告の件数が、約4万3,000件に上ったと発表した。このように統制を外れた、違法な経済活動の価値総額は200~500億ドルに上るとみられている。
ATOによると、シャドー・エコノミーによる活動が、毎年、約110億ドル相当の脱税につながっているという。21/22年度に通報された密告の内容としては、顧客に対する現金払いの要求、給与の現金払い、総売り上げの未申告などが最も多かったことも分かった。
従業員の女性が雇用主を密告したケースでは、ネイルサロンで雇用主の女性が故意にEFTPOSの電源を切り、顧客に対しカードによる支払いが出来ないと説明した上で、ATMで現金を下ろして来るよう頼んだことが分かっている。加えて、この雇用主は消費税(GST)を加算して請求を行った上で、この現金取引をATOには申告せず、すべて着服していたという。
ATOのアシスタントコミッショナーのホルト氏は、声明の中で、「一部の業者にとって、ここ数年間は厳しい状況が続いているが、適正に申告を行っている業者を出し抜き、不正に利益を得てもいいことにはならない」と述べた。
ソース:news.com.au-‘Cash only’: ATO receives 43,000 tip-offs for ‘shadow economy’ tax cheats