【NSW12日】 NSW州美術館(AGNSW)は12日、所蔵する中世の木製彫刻がネパールのカトマンズ・バレーからの盗品であったことを受けて、これを返還する準備を進めていると発表した。800年前のものとみられている彫刻は、カトマンズ郊外のパタン(Patan)に由来し、1980年代に盗まれたものだとSNS上で指摘する声が上がっていた。
彫刻は全長1.3メートルの木製で、パタンのラトネシュワル寺院の支柱の一つだったとみられ、2000年にはAGNSWに寄贈されていた。ただ、調査を進めていくと彫刻は数十年前に寺院から違法に取り外されたもので、その後、闇市を介してアジア人の美術品収集家や美術館などが所蔵してきたようだ。
AGNSWのマイケル・ブランド館長は、同美術館が“自主的に”彫刻をネパールへ返還することを決め、すでに美術館の収集から取り下げたと説明。今月16日に正式にネパール側へ引き渡される見通しを明らかにした。
ブランド館長は、「ネパール政府や文化遺産団体などと緊密に協議を行った結果、この13世紀に作られた特別な彫刻がネパールで新たに所蔵されることになり、大変喜んでいる」と述べた。
ソース:abc.net.au-Art Gallery of NSW to hand back 800-year-old carving that was stolen from Nepalese temple