【ACT15日】 1996年から2012年に生まれた世代は「Z世代」と呼ばれており、彼らは仕事嫌いという悪評があるが、実際は会社で残業をすることが多いことが最新調査から明らかになった。
モラルに欠けたEメール文の締めくくり、慣習から逸脱したオフィスでの服装、必要最低限の労働、給与額の共有、せっかち、規律の欠如に至るまで、Z世代と働く上での課題として協調されてきた。また、数年後には世界の労働人口を席巻するこの世代のことを「仕事嫌い」という烙印を押している傾向があるが、これらのレッテルは見直されるべきものだろう。
ADP Research Instituteの「People at Work 2023」レポートの最新データによると、Z世代は実際に残業を多く行なっているという。この調査は17カ国で3万2,000人の労働者を対象にしており、18歳から24歳の人々は、週に8時間30分以上の無給労働を定期的に行っていることが明らかになった。ADPのチーフエコノミストであるネラ・リチャードソン氏によると「平均して、Z世代の労働者は毎週8.5時間の無給労働を時間外、昼休み、週末に時間を割いて行なっている。これは45歳から54歳の労働者よりも1時間多く、55歳以上の労働者よりも3時間多い」と報告した。
このデータから、現在若者のモチベーションが高いことを示しているが、報告書で「Z世代は、昇給やボーナスでその努力が評価されない場合、それでもなお無給労働を行うのか?」という疑問も投げかけている。リチャードソン氏は「多くの労働者はボーナスや昇給をもらえると思っている一方で、若い世代はそう見ていない」とし、実際ADPの調査では、今後1年以内に現在の会社で昇給を期待しているのは、他の年齢層は約3分の2が昇給を期待している中で、Z世代の労働者はわずか50%に留まり、ボーナスが出ると思っているのは3分の1となっている。
では、金銭的な報酬や昇進の見込みがないのに、なぜ残業を行うのか?報告書では、Z世代は圧倒的な雇用不安があるからだと指摘しており、同氏は「雇用への不安感はZ世代が最も高く、55歳以上の割合(24%)に比べて半数(50%)が仕事に安心感を持てない」としている。
現在の厳しい経済情勢による解雇などを痛感しているZ世代は、自分たちが職場にとって価値ある重要な存在であることを証明するために長時間労働に耐えているが、その結果としてストレスや燃え尽き症候群が増加しているという報告が増えている。同氏は「回答したZ世代は、職場でのストレスを訴える傾向が強かった。また、ストレスが仕事のパフォーマンスに影響を及ぼしていることも認識していることが調査から明らかになった」としている。同調査によると、「若い人ほど職場でストレスを感じていると回答しており(他世代が月平均10回ストレスを感じている一方でZ世代は月平均13回)、メンタルヘルスの低下(54%)やストレス(80%)のために仕事に支障をきたしていると感じている人が圧倒的に多い」となっている。
ソース: news.com.au – Report reveals Gen Z most likely generation to put in unpaid overtime at work