【QLD16日】 オーストラリア・ニュージーランド食品基準機関 (FSANZ)が、QCAV-4と呼ばれるQLD州研究者らによって作られた遺伝子組み換えバナナを認可したと発表し、20年越しの研究成果がオーストラリア国内で合法的に栽培・販売されるまであと少しとなった。
クイーンズランド工科大学(QUT)のジェイムズ・デイル教授は「認可はQCAV-4にとって大きな一歩であり、長年の開発のおかげ。世界中のキャベンディッシュ種のセーフティ・ネット構築に向けた非常に重要な一歩となる」と決定を歓迎している。
科学雑誌のコスモス誌は、QCAV-4はFSANZによって評価・承認された初の全遺伝子組み換え果実となり、世界初承認された遺伝子組み換えバナナとなった、と報じている。QCAV-4は、世界中のバナナ市場を壊滅させているパナマ病TR4に高い抵抗性を持つように遺伝子組換えされている。TR4は、土壌を媒介する真菌によって引き起こされ、50年以上地中にとどまり、バナナを全滅させる大きな問題となっている。
この遺伝子組み換えのバナナは通常のキャベンディッシュ種バナナで、RGA2と呼ばれる遺伝子を1つ変化したもので、この遺伝子はMusa acuminata ssp malaccensisという東南アジアの野生バナナに由来している。デイル教授は、「オーストラリア国内のバナナの95%近くがQLD州で栽培されており、キャベンディッシュ種は97%を占めている。QCAV-4は、世界の輸出産業においてのパナマ病TR4に対する真の防御策としてだけでなく、国内の13億ドルの産業に対するセーフティネットであり、バナナ生産に携わる1万8,000人のQLD州民の雇用保護も含まれることになる」と述べた。現在、研究者らはこの遺伝子組み換えバナナを国内で商業化する計画を持っておらず、TR4がQLD州で発生した場合のセーフティネットとして使用する予定だという。
QCAV-4の次のステップとしては、 FSANZが食品閣僚会議に承認されたことを通知し、同会議が60 日以内に見直しを要求しなければ、バナナの販売が許可されることになる。
ソース:news.com.au – Australia is getting a totally new banana