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ソーシャルメディアの年齢制限 「効果は僅少」研究から

【ACT27日】   政治家、警察そして国家安全保障の専門家たちは、デジタル被害の解決策としてソーシャルメディアの年齢制限の強化を支持しているが、インターネット専門家たちは「効果はほとんどない」と反論している。

専門家たちは、「アクセス制限は応急措置にすぎない」との世界的な研究結果を背景に、代わりにデジタルリテラシーの向上に重点を置くように述べている。パースのカーティン大学のインターネット研究専門のタマ・リーバー教授は、強制的な年齢層別の禁止措置は、問題の根本的な原因の解決にはならず、むしろ大きく後退させると警鐘を鳴らしており「多くの研究結果から、禁止することが有益でないことを表している。学校内での携帯電話に関する調査からも、全面的な禁止はほとんど効果がないことが示唆されている」と説明した。

22日、国内のオンライン安全監視機関「イーセーフティ(eSafety)」は、イーロン・マスク氏のソーシャル・プラットフォーム「X」がシドニーの教会で発生した刺殺事件の動画削除を拒否したことに対して、連邦裁判所への提訴を開始した。これをきっかけに、以前から年齢確認制度の義務化を求めてきた野党は、15歳以下の子どものフェイスブック、インスタグラム、ティックトックの利用を制限する米国のいくつかの州にオーストラリアも倣うように提案している。

米国の学術機関「全米アカデミーズ」が最近発表した報告書によると、若者のソーシャルメディアへのアクセスに広範な制限や禁止を支持する十分な確証はないという。しかし、専門家たちは、有害なコンテンツや偽情報の悪影響をもたらすことが増加していることを指摘しており、ソーシャルメディアとメンタルヘルスとの関連についてさらなる調査を行うよう求めている。

シドニー大学が昨年発表した600人以上の若者を対象とした調査結果では、多くの子どもたちは、オンライン・プラットフォームが年齢確認できる能力に懐疑的だと明らかになった。また、国内で厳格な年齢制限が導入された場合、VPNサービスを使って国を変えるなど、抜け道を使うようになる可能性も挙げている。

 

ソース:news.com.au – Research shows social media age bans won’t solve rising digital harms: internet experts

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