【ACT2日】 連邦政府はNSW州とVIC州で相次いで家庭内暴力(Domestic Violence:DV)による女性の殺害事件が発生したことを受け、恒久的に暴力から離脱するための手当、「Leaving Violence Payment」に今後5年間で9億2,500万ドルを拠出することを決めた。ただ、支援団体は女性たちが手当を受け取るまでに最大9か月待つ場合もあると指摘している。
連邦政府による新たなプログラムは暴力的な親密関係から抜け出すための経済的コストを支援するもので、対象者には最高1,500ドルの現金と3,500ドルのバウチャーが支給される。
家庭内暴力の被害を受けている女性を支援する、「Macarthur Women’s Domestic Violence Court Advocacy Service」のマネージャー、タニヤ・ホワイトハウス氏は、プログラムが恒久化されたことは明るい材料とする一方、危険な状況にある女性が手当を受給するのに大きな障壁に直面していると指摘。「クライアントの1人は手続きをするのに9か月かかった」、「23年11月にサポートレターを書いた別の申請者も受給について最終決定していない」と述べた。
5,000ドルの一時金は2021年、モリソン前政権下で初めて導入されたが、一時滞在ビザの保持者を除外するなど厳格な資格要件に対し懸念の高まりを受けて改訂された。
ホワイトハウス氏は手当の支払いを請求するのに3か月という短い期間しか与えられないことは「屈辱的」だとし、申請者は多くのことに依存しており賃貸物件を見つけることもできないと指摘。少なくとも6か月に延長することを検討すべきと訴えた。
ドメスティック・バイオレンスNSW(DVNSW)の報告によると、2022年に申請者が5,000ドル全額を受け取ることができたのは全体のはわずか15%だった。
今年ガーディアン紙が入手した統計によると、5万人以上のオーストラリア人の半数以上が2023年6月~9月の間に申請を却下された。
ソース:news.com.au-Domestic violence survivors waiting up to 9 months to receive $5k support payment