【ACT23日】 非英語圏からオーストラリアに移民した人のスーパーアニュエーション(確定拠出型年金)は、一般人口よりおよそ3割少ない。格差は20代半ばから始まり、年齢を重ねるにつれて大きくなる。
オーストラリア・スーパーアニュエーション基金協会(ASFA)の年次報告によると、移民のスーパーの額は、退職後に快適な生活を送るのにかなり不足している。退職時、一般の人のスーパーが平均46万ドルあるのに対し、非英語圏からの移民は32万ドルだ。その差は14万ドル。
雇用主が支払うスーパーへのコントリビューションは、稼げば稼ぐほど大きくなるシステムだが、移民は自国での経歴がオーストラリア国内で認識されにくく、同レベルの職務や給与の仕事を見つけにくい。このため、多くの移民がキャリアと関係ない職業で数年働くケースが多い。稼ぎが少なければ、スーパーへの入金も少ない。
2011年にアフガニスタンから移民したモーシン・ハザラさんは、良い仕事に就くために英語力やスキル構築に数年費やした。「退職後の生活に十分なスーパーに達しない」と心配するが、学生ローンの返済があり、年金に自ら入金するのは難しい。自国の家族に送金する移民も多く、50歳でスーパーが全くない人もいるという。事業者番号(ABN)を持つ事業主やソール・トレーダーの移民は、「税金を支払っていれば年金を積み立てる必要がない」と考える人もいるという。
雇用主に義務付けられているコントリビューションは、7月から最低11.5パーセント確約される。連邦政府の政策により、2020年の9.5パーセントから2025年は12パーセントに段階的に伸びている。2026年7月からは、給与支払いと同時にコントリビューションの支払いが義務付けられる。
移住支援機関「AMESオーストラリア」のキャサリン・スカースCEOは、「移民したエンジニアが最初の5年間タクシー運転手として働いたら、5年分のエンジニアの賃金との差の分スーパーが少なくなる。国内経済も、スキルのあるエンジニアを失っている」「移民のスキルと経済を早期に結び付けることが大切。移民の退職後だけでなく、経済も恩恵を受ける」と話した。
ソース:abc.net.au – Superannuation was meant to create retirement ‘equality’. Instead, we have a $140,000 divide