【QLD4日】 QLD州の保健監視委員会は、不妊治療クリニックに提供された数千の凍結精子について、監視により大量のサンプルが身元誤認の危険性があるとして廃棄を命じた。
保健オンブズマン事務局(OHO)は、これまで自主規制されてきたQLD州の体外受精産業について集中的な調査を実施した。その結果、「品質と安全性」に関する「体系的な問題」を発見。鑑別所の取り違え、配偶子や胎芽の喪失、検査室の基準を超えた劣化の疑いなど、潜在的な過ちがあると報告している。
また報告書は、「凍結精液の不正確な表示や精子が保存されているストローの不明瞭な表示など、複数の事故が報告されていない」と指摘し、このような誤りが重要な遺伝情報の見逃しにつながる可能性があり、偶発的な近親相姦の危険性があると指摘した。
QLD州内の提供精子、卵子サンプル、胎芽のうち42%が、識別およびトレーサビリティに問題があったことが分かっている。これはクリニックがサンプルを紛失したり、間違ったラベル付けをしていたことが原因とみられる。これを受けてOHOは州内の全クリニックに対し、現在の識別基準を満たさない保存ドナー材料を廃棄するよう勧告した。
オーストラリアでは6組に1組のカップルが子どもを持ち家庭を築くのに苦労しており、その多くが精子ドナーによる妊娠を考えている。
ソース:news.com.au-Queensland Health Ombudsman orders the mass purge of frozen sperm