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国内初 娘を強制結婚させた母親に懲役刑

【VIC5日】   国内で初となる、娘を強制的に結婚させた母親が収監された。娘は夫によるDVで死亡、世界もニュースに取り上げた。

VIC州のサキナ・ムハマド・ジャン被告(48)は、娘のルキア・ハイダリさん(享年21)に結婚を強いたとして、少なくとも1年収監される。強制結婚を違法とする法律は2013年に可決されたが、最初の有罪判決まで11年かかった。

ハイダリさんは結婚後間もなく夫に殺害された。夫も殺人罪で少なくとも19年刑務所で過ごす。

ジャン被告のニュースは、米英を含む世界でも取り上げられた。

WA州とNSW州の裁判所で、強制結婚に関する別の2件が審理されている。

NSW州で過去10年にわたり、強制結婚の被害者またはリスクにある女性の対応にあたってきたローラ・ビダル博士は、「ジャン被告の判決によって、強制結婚の被害者が家族を通報したがらなくなる」「ほとんどの女性が強制結婚を望まないだけで、誰もトラブルに巻き込みたがらない」と話す。

2017年、ビダル博士のもとに年およそ70件の強制結婚に関する相談が寄せられたが、警察への通報を希望したのはわずか10パーセントだった。強制結婚の捜査は連邦警察の管轄にあり、過去8年で毎年90件ほど捜査されてきた。

ハイダリさんも結婚前に連邦警察と話したが、捜査対象の苦情として訴えなかった。警察に連絡し、友人にも結婚を望まない意思を伝えていたものの、VIC州シェパートンで執り行われた結婚式には500人が参列した。イスラム教の婚姻契約のもと、夫から花嫁の家に1万4,000ドルが贈られたとされるが、「ジャン被告が娘を売った」と伝えたメディアもあった。

5人の母親であるジャン被告は学校に行ったことがなく、英語を話さず、12~13歳で結婚後間もなく最初の子どもを設けた。夫をタリバンに殺害された後、難民キャンプで13年子どもたちを育てた。

ジャン被告を訴えたダレン・レントン上級検事は、「スピード違反監視カメラ同様、懲役刑は抑止力を効する。強制結婚で刑務所に入れられると知れば、減る可能性がある」と話す。

ジャン被告のケースは稀で、国内で確認される強制結婚のほとんどが海外で執り行われ、女性がオーストラリアに連れて来られる。

VIC州は国内で唯一、強制結婚を保護命令が得られる家庭内暴力の一つと見なしている。

ソース:new.com.au- Australian-first forced marriage case grabs US, UK headlines as mum jailed

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