【ACT13日】 連邦のショーテン政府サービス相は13日、来年早々に立ち上げを目指すデジタルID「トラスト・エクスチェンジ(Tex)」について明らかにした。QRコードを通して政府アカウント「MyGov」内の個人情報を事業と共有する。
ここ数年、企業を狙ったサイバー攻撃により個人情報が流出する事件が急激に増えている。デジタルID“Tex”によって、企業が個人情報を保持する必要がなくなる。個人・事業ともにTexを設定する必要があり、共有された情報の履歴はMyGovのウォレット内から確認でき、共有する情報も個人で管理できる。
例えば、ホテルのチェックイン時にQRコードをスキャンしてパスポート情報を共有する。パブでも顧客の年齢や住所が確認できる。携帯電話の購入、銀行口座の開設、求職や賃貸物件申し込みなどのプロセスも容易になる。事業も、顧客から損害を受けるなど問題が発生した際に、政府を通して連絡できる。
ニューサウスウェールズ大学でサイバーセキュリティを専門とするリチャード・バックランド教授は「個人情報を一か所に集めることで、サイバー攻撃のハニーポットになるリスクが大きい」「ハッキングが不可能な、完璧なシステムを見たことがない」と懸念する。また、これほど大規模なデジタルIDシステムを取り入れた国はないとして、「他国が採用するのを待って学んだほうがいい」と話した。
海外では、デジタルIDの先駆けとしてエストニアが選挙もデジタルで行った。アラブ首長国連邦(UAE)も、アブダビのザイード国際空港内のすべてのIDチェックポイントに生体認証センサーを設置して、世界初の書類不要の空港を目指す。
一方、全国民のデジタルIDカード導入を検討していた英国は、新労働党政府によって拒否された。日本でも、広範囲のデジタルIDシステムに国民を納得させるのに苦戦している。
ソース: abc.net.au – How the government’s proposed ‘Trust Exchange digital ID scheme would work