【ACT10日】 英国の人気シェフ、ジェイミー・オリバー氏が書いた子ども向けの本に、オーストラリア先住民に対する無礼な内容があったと批判を受けた。同氏と出版社は謝罪し、小説の販売中止を決めた。
オリバー氏著書の子ども向けファンタジー小説「Billy and the Epic Escape」内に、里親制度で暮らすオーストラリア先住民の少女の描写がある。少女を誘拐した悪党は「First Nations children seem to be more connected with nature(先住民の子どもは自然とよりつながっているようだ)」と述べる。悪党はNT準州アリススプリングス出身だが、使用された言い回しはNSW州とQLD州の先住民、ガミラレイのものだ。
全国先住民・トレス海峡諸島民教育法人(NATSIEC)は、「先住民と歴史を消去、平凡化、ステレオタイプ化している」と激しく批判した。先住民の多くも、過去に実際に政府によって先住民の子どもたちが家族から引き離された事実から、「先住民の子どもが誘拐される展開は無神経」と批判した。
これを受けて、出版社のペンギン・ランダム・ハウスUKとオリバー氏は小説の販売を取り下げた。同氏は声明で「ひどく悲痛な問題に誤解を招く意図はなかった」と述べ、心から謝罪するとした。出版社側も、先住民の機関や個人と協議なしに小説を出版したと認め、「今回は出版基準に満たなかった。過ちから学び、断固たる行動をとらなければならない」と述べた。
同小説は、オリバー氏の2023年の小説「Billy and the Giant Adventure」の続編。同氏は現在、新たな料理本「Simply Jamie」の宣伝で国内を周っている。
ソース:abc.net.au – Celebrity chef Jamie Oliver pulls children’s book after criticism for causing offence to Indigenous Australians