【ACT13日】 たばこの値上がりに伴い、高齢の喫煙者が大麻喫煙にシフトしていることが新調査で明らかになった。
連邦政府は年に2回たばこの増税を行っており、1990年代に数ドルだったたばこの値段は、現在では25本入りで約70ドルにまで上昇しており、オーストラリアは世界で最もたばこの値段が高い国になっている。たばこ税は人々に禁煙を奨励するために導入されたもので、喫煙にかかる費用が禁煙の動機になったという結果も出ている。
一方で、国内の50歳以上の喫煙者は、たばこの値上がりにより大麻の使用量が増加していることも調査結果から明らかになっているという。カーティン大学の会計・経済・金融学部が実施した研究では、薬物ストラテジーに関する国勢調査のデータを用いて、2001年から2019年の間に約10万人のオーストラリア人の購買習慣を調査した。その結果、50歳以上がたばこから大麻にシフトする一方で、40歳未満はたばこの値段が上昇するにつれ、大麻の使用量が減り、40歳から50歳では変化がないことがわかった。
同研究では、たばこの価格が10%上昇した場合、50歳以上のオーストラリア人6万8,000人が現在使用している大麻の使用量を増やすか、たばこの代用として大麻を使用する、と回答しているという。研究を行ったマーク・ハリス教授は、一般的に大麻とたばこは一緒に消費されているため、この結果は驚くべきだと述べている。同教授は「経済的観点で言えば、大麻とたばこが一緒に消費されていてたばこが値上がりした場合、大麻の消費量も減ると予想される」とし「たばこの補足物であった大麻がたばこの代替品になる可能性がある」と説明している。
共同研究者のランジョード・シン教授は、消費者行動研究を応用すれば、効果的な健康増進ストラテジーを生み出すことができるとし、「経済学では、人々は合理的に行動し、価格に従って行動するという考えがあるが、異なる年齢層は値上げに対して異なる反応を示すことが明らかになっている。すべての年齢層に一律の政策を適用することが最善の方法ではないことが調査結果は示しており、今後の健康政策や喚起への形成に役立つ」と述べている。
ソース:news.com.au - New research reveals older smoking Aussies are turning to cannabis as tobacco prices increase