【QLD8日】 豪国内の研究者たちは、QLD州における侵略的な伝染病を媒介する蚊の蔓延を食い止めるための驚くべき計画を描いている。連邦政府出資の連邦科学産業研究機構(CSIRO)の研究者たちは、英国のバイオテクノロジー企業、オキシテック社との共同開発で遺伝子組み換えの蚊を開発した。
マッコリー大学のプロジェクト同様の同プロジェクトでは、クモやイソギンチャクの毒タンパク質を精液中に生成するように遺伝子組み換えを行なったオスの蚊を使用して、同様の結果を得ようとしている。これらのタンパク質は交尾の際にメスに注入され、メスの寿命を短縮するようにするという。ここで重要なことは、オスの蚊は人間を刺さないので、QLD州民は健康への影響を懸念する必要がないということである。
この新たな害虫駆除のアプローチは、同州の熱帯地域で病気を媒介する侵入種の蚊が増加していることから開発された。研究者たちはこの新種を世に送り出すことを切望しているが、最終的な承認は連邦政府の遺伝子監視機関である遺伝子技術規制局(Office of the Gene Technology Regulator)に委ねられている。
CSIROのバイオセキュリティー・ディレクターであるブレット・サットン教授は、同規制機関は「薬品・医薬品行政局(TGA)のようなものだが、遺伝子組み換え製品を扱うので、同じような厳格なプロセスを経る必要がある」と語った。新種の蚊は、血に飢え、病気を媒介する蚊の亜種にしか影響を与えないとし、同教授は「殺虫剤とは異なり、蝶やミツバチ、非標的種に影響を与えることはなく、農薬による環境汚染の問題もない」と付け加えた。
学術雑誌のネイチャー・コミュニケーションズに掲載されたマッコリー大学の研究によると、「毒オス」技術を用いた代わりの精液により、摂血率を40〜60%減少させることができるという。CSIROの代替法は、味方の種に「自己制限」遺伝子を導入し、オスの血を吸わない子孫だけを確実に繁殖させるもの。まだ承認待ちではあるが、声明文では「この新たなベンチャーは、この種の蚊やデング熱の大流行の影響を受けているトレス海峡の地元コミュニティと連携しており、完成後は影響を受けている地域にこの技術を展開することを目指している。また、家畜や農作物、そして我々の食糧システムを脅かす幅広い害虫に対する解決策を開発することが期待されている」と述べられている。
ソース:news.com.au – Genetically modified mosquitoes to combat disease in Qld