【ACT1日】 オーストラリアの2025年1月の全国の住宅価格は0.08%下落したことが、不動産調査会社プロップトラック(PropTrack)によるデータで明らかになった。前月は0.17%下落で、下落が続くのは約2年ぶり。ただ、専門家は住宅価格の鈍化は短期間で終わると予想している。
過去2か月では小幅な下落がみられた国内の住宅価格だが、全体でみると2020年3月以降で45%上昇している。
住宅価格の下落は首都圏が0.16%となり、地方部の価格上昇(0.12%)を相殺した。最も大きな下落はホバートで0.46%、次いでメルボルンとシドニーがそれぞれ0.30%と0.23%の下落を記録。パースは横ばい、アデレードは0.07%と小幅な下落となった。ブリスベンは0.08%と小幅ながら国内で唯一の上昇を記録した。
REAグループのシニアエコノミストのクレイ氏は、2024年後半からみられる住宅価格の上昇ペースの鈍化は、売りに出されている物件数が増加し買い手が選択肢を与えられたことや、購入を急ぐ必要がなくなったためと説明。さらに、高金利が続いていることも一因と話した。
一方、先ごろ発表されたコアインフレ率(トリム平均値)が3.2%とオーストラリア準備銀行(RBA)が予想していた3.4%を下回ったことを受けて、国内の4大銀行は2月17日から18日にかけて行われるRBAの理事会で金利が引き下げられると予想している。
クレイ氏は年内に金利が引き下げられることで市場が再び活性化すると予想。「金利が引き下げられ、借り入れ能力が向上することで、住宅価格は手頃な価格となり、買い手の信頼感や住宅需要の戻りから、再び価格上昇につながる」との見解を述べた。ただ、アフォーダビリティーを意識し販売価格が低く設定されるため、価格が急騰することはないと予想している。
ソース:news.com.au-Property prices continue to slide, but it could be short lived