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移民の親を持ち、オーストラリアで育つ子ども

【ACT28日】   移民の親を持つオーストラリア生まれの子どもは、しばしば2つの世界の中で生活する。アイデンティティの形成や成長する過程での困難や強さを、2人の成人から聞いた。

ケビン・ハンさん(30)はシドニー西部で難民の母親と兄弟とともに育った。母親は働きながら勉強し、子どもたちを育てたが、生活は非常に貧しく公営住宅が空くのを待っていた。強い中国系コミュニティの中で育ったケビンさんは、テレビを長時間見て英語を学んだ。周りもアジア系が多かったため、人種差別に悩んだこともない。コメディアンになったケビンさんは、「貧しくて何ももらえなかった。自分でアイデンティティを築いて笑いに達成した」と話し、自身の才能に誇りを持つ。

一方、両親がバングラデシュから移民したムナ・ハミッドさんは異なる体験を持つ。音楽家の両親は国内初のバングラデシュの音楽学校を立ち上げ、引っ越しが多かった。その都度まわりとつながりを作らなければならず、地方の学校ではムナさんと友達になりたがらない子どもも多く、「肌の色が濃いのはかっこよくない時代だった。先生も何もできなかった」と笑った。イスラム教のラマダン終了を祝うイードに手にヘナのタトゥーをして笑われてからは、ハイスクール時代はヘナも諦めた。斬新的な西欧社会で成長する中、保守的なイスラム教一家の文化とのバランスは容易でなかったという。ムナさんは現在、クリエイティブ業界で働く。「引っ越す先々で音楽を通して人と交流した。素晴らしい経験をくれた両親に感謝する」と話す。

ケビンさんとムナさんの体験は、シドニー西部で生活する若者を追うABC局のコメディ番組「ウエスタナーズ」で取り上げられた。

ソース:abc.net.au -‘Cross-cultural kids’ on what it’s really like to grow up in Australia

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