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次のテロ攻撃の標的は日本、シンガポールの可能性が強(1)

アメリカの戦略的分析グループは今日、次に予想される武装集団アルカイダによるテロ攻撃の標的は、オーストラリアよりもむしろ、日本の可能性が非常に高いと語った。

アメリカの民間企業の情報機関グループ、ストラットフォーは、局地的なテロリストの今後の見通しを分析し、アジア地域における欧米の金融資金と軍事力は拡大しているが、依然として国家の安全保障が十分ではない国は多いと語った。

また、同グループによると、アルカイダは高性能な爆弾を使用したテロ攻撃を開始するための技術的専門知識をもっており、戦略的にみて、その攻撃は東アジアと東南アジアを標的にした攻撃計画よりもさらに悲惨な結果をもたらす可能性があるという。

「この論理を基に考えると、最も標的となる可能性がある国は、シンガポール、香港、日本だろう」とストラットフォーのテロリズム専門家、フレッド・バートン氏は語る。

最近のさまざまな研究開発の結果、この地域でのテロ攻撃の可能性が指摘され、オーストラリアとアメリカの両国はインドネシアへの渡航勧告の改訂版を発行した。

インドネシアのユドヨノ大統領は、今週はじめ、イスラム教徒過激派の動きが活発化しており、9月、10月に起こり得る攻撃を回避するため、出来る限りの対策をとるよう情報保安局に命令した。
また同大統領は、「我々はテロリストがいまだ活動を行っていることを認識している。彼らは潜伏し、新しいテロリストを養成し、ネットワーク化し、新たな資金源を探し、更には次のテロ攻撃の計画をしているのだ。」と語った。

フランスのジーン・ルイ・ブルギエ反テロリズム判事は、アルカイダによるテロ攻撃の標的は、シドニー、東京、シンガポールといったアジアや太平洋諸国の金融中心地になる可能性があること、そしてそれがその地域の投資家の信頼を損ねることになると指摘した。また、同氏はロンドン・ファイナンシャル・タイムズ紙に対し、「日本市場に打撃があった場合、投資家の信頼に大きな経済的影響を及ぼすことは明らかであり、また周辺地域のシンガポールやオーストラリアなどの国は将来的にテロの標的になる可能性がある」と語った。

バートン氏はシンガポールと香港の両国は経済・軍事面でテロリストにとって魅力的な標的ではあるが、さまざまな要素を考慮すると、テロリストが特に標的にしたい国は日本であると述べた。

日本はイラクに軍隊を派遣しており、9月11日には選挙が行われる予定である。また、日本は国の安全保障の強化に取り組み始めたものの、テロ攻撃に対する準備は十分ではないとみられている。

ストラットフォーは、「同時多発テロのその後の影響で、世界の各地で国の安全保障が強化されたが、日本は他国に比べ、依然として無防備な状態である。日本の経済・政治制度は日本をテロの格好の標的にしている」と述べた。 

また同グループは、「日本は犯罪率が低く、社会的道徳観が強いため、日本の捜査当局は捜査技術を開発することも、また他国の法執行機関が日ごろの厳しい経験から学んだテロに対する取り組み方を取り入れることもできない。これに加えて、日本の情報機関が日本国内で軍事行動を行った経験はほとんどゼロに近いという事実が状況をさらに悪化させている。」と語った。

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