ジンバブエ、ムガベ政権は、ニコール・キッドマン主演のサスペンス・スリラー、映画「ザ・インタープリター」が米国・CIAのプロパガンタであるとして非難した。同国の検閲協議会が同映画の国内上映を許可してから2ケ月、情報・広報大臣代理のチェン・チムテングウェンデ氏は、政府管轄下の日刊紙『ヘラルド』の中で、「CIAが背後に潜むこの映画は、”ジンバブエの敵がいまだ活動中である”ことを明らかにした」との声明を発表した。
ヘラルド紙は、オーストラリア外相、アレクサンダー・ダウナー氏の尽力によって行われた、ムガぺ大統領の人権侵害に対する国際刑事裁判所(ICC)への起訴も同映画の影響であると関連づけた。
映画の中で、マトボ国スワーニ大統領の暗殺計画を偶然知ってしまう国連の通訳者を演じているニコール・キッドマン。大統領は他民族一掃政策でICCに起訴されている設定で、それを阻止するために国連総会での演説を企てる。
「我々は断固としてユーロ・アメリカン支配に立ち向かうべきだ」と、チムテングウェンデ氏。ムガベ大統領は映画と同じく、年内に行われる国連総会での演説を計画している。
ジンバブエは、ムガべ政権による弾圧と財政の大失態により、国際社会から追放。一方、同政権は、西側諸国による制裁が国内の経済崩壊を導いたと非難。ムガぺ政権は先週、反対者のパスポートを失効させる憲法改正を行い、さらに独裁力を強めている。
「ザ・インタープリター」の配給元である、レインボー・シネマグループからのコメントはまだ出ていない。
野党代表トゥルーディ・スティーブンソン氏は、ヘラルド紙のレポートを”二ケ月遅れのパラノイア“と評した。