ブリスベーン - 結婚式や葬式で、耳をつんざくような携帯の着信音が鳴り響く。その張本人は、携帯の電源を切り忘れたことを小さな声で謝る。だが、その着信音によって生じた不快感はなかなか消えない。
現代文化専門家によると、たった1時間でも情報伝達の輪から取り残されたくないと感じる人が、携帯の電源を切らず、このような迷惑行為を引き起こすのはよくあることだという。
そういった人は自分の地位や個性を表現するために、「クール」な着信音を周囲に聞かせたいとさえ思っているかもしれない。
カレン・ブルックス博士は、携帯をもう一つの腕のように思っている人もいるという。それがないと、たった数分間でも極度のストレスを感じるときさえあるという。「映画にいくとき、腕を取り外す人はいないだろう。同様に携帯の電源も切りたくないのだ。結婚式、葬式、映画館などの不適切な場所でさえも、どんな情報も見逃したくないのだ。」と同博士は語る。24時間身に付けるアクセサリーのように、ないと不安で喪失感を感じるのだという。また、同博士は、携帯の着信音、カバー、画面、個人情報を記憶する機能によって、携帯が所有者の「公式声明」、「日記」といった役割を果たすことになるという。
着信音は個性を生み、あなたがどんな人物かを反映する鏡のようだ。逆に、自分ではない個性を見せることで、他人に本当の自分を隠すこともできる。
(ブルックス博士による分析)
クラシックの曲を選ぶ人 - 気まぐれで、古風。最近では逆にクールにみられる。
ランキングに登場する曲を選ぶ人 - 新曲を好む人。本人はその曲が気に入っているわけではないかもしれないが、周囲に人気がある曲だと知っている。ロック調の曲を選ぶ場合は、それが一番のお気に入りというはけではないかもしれないが、その人のある面を主張している。またその曲に対する周囲の人の反応をみる。
騒々しい曲を選ぶ人 ― 絶対に電話をとり損ねたくない人。自分がいかに重要な人物かを周囲に知ってもらいたい。
伝統的な曲を選ぶ人 ― 自分自身や自分の個性に大変自信がある人。周囲の人の注意を引くための着信音を必要とはしない。
口笛を鳴らしているような曲を選ぶ人 - ユーモアの感覚を備えている人。