ラグビー界屈指のスターで、最近、同性愛者であることをカミングアウトしたイアン・ロバーツ元選手は、幼児売春組織との関わりを疑われて一時期、警察の監視下に置かれていた。
NSW州警察による捜査で、彼が事件と何の関わりもないことは明らかになったが、ロバーツはこの事件がいかの彼の人生を変えたかをABC放送のTV番組「オーストラリアン・ストーリー」で語った。
彼が世界一のフォワードだと言われていた80年代、ロバーツは9歳の少年アロンと出逢う。その後、少年が14歳の時に再会するまで、二人は定期的に連絡を取っていた。ロバーツによると少年は「野生児で、ドラッグに溺れるストリートキッズだった」という。少年がホームレスのための施設に入居することになった時、ロバーツは彼を自宅に住まわせようとさえしたという。その6ケ月後、ロバーツは自らが警察の監視下にあることを警察から知らされる。アロンは幼児売春宿として知られる場所に度々出没しており、少年と同様ロバーツも監視されていると警察は彼に告げた。
「それは今まで経験したことない衝撃だった。そして僕は自分の名声が傷つくのをひどく恐れた」
警察はその後の捜査ですぐに、ロバーツが純粋に少年をサポートしているだけでそれ以上の関係でないことを知ったが、少年は幼児売春組織と関わり、多くの証拠を握っていることも確信する。
アロンはその後すぐに行方不明となる。ロバーツは少年の度重なる逮捕歴を知り、最終的には彼からの電話を取ることを拒否した。
「僕は、アロンのことを人生の汚点として扱うようになった。」
しかし、その後、彼は思いがけない結末に打ちのめされることとなる。2002年、アロンが死体で発見されたのだ。少年は、幼児売春組織によって口封じのために1997年に殺されたのだといわれている。
「彼は何度も胸を突き刺された後、絨毯に包まれ、墓穴に投げ捨てられて埋められた後、朽ち果てていたと聞かされたよ」
「僕は、その子を最後に気にかけ、そして最後に彼に背を向けた人間なんだ」