ヨハネスブルグ - 白人農夫マーク・スコットクロスレイ容疑者(41歳)は黒人労働者ネルソン・チサルさんをライオンに襲わせた罪で、南アフリカの判事によって終身刑を言い渡された。この判決は人種差別に関わるものであり、田舎の黒人労働者に対する虐待を浮き彫りにした。
残虐な方法で殺害されたチサルさんの事件は、南アフリカで激しい物議を呼んだ。南アフリカではアパルトヘイト制度が廃止されて10年以上が経過しているが、今もなお黒人労働者に対する虐待や酷使で非難を受けている白人農夫がいる。
昨年の始めごろ、希少なホワイトライオンがうろつく檻の中で、チサルさんの頭蓋骨、骨や指の一部だけが発見された。この事件はチサルさんと当時の雇用主、スコットクロスレイ容疑者との間で口論になったのが発端。今年はじめの裁判所での証言で、チサルさんは所持品を取りに農場から戻ったときに暴行を受けたことが分かった。また裁判ではスコットクロスレイ容疑者は暴行を受けたチサルさんの傷口を蹴り、銃口をチサルさんの頭に突き付けて祈るように命令したと証言された。その後検察官は、チサルさんはライオンの檻のフェンス上から投げ入れられたと説明した。検死の結果、ライオンによる攻撃が死因と判明した。
地方メディアによると、スコットクロスレイ容疑者は今朝判決を受ける少し前に、治安判事裁判所で結婚をしたという。