インドネシア警察は2日、バリ島同時爆発テロの実行犯と見られる3人の男性の写真を公開した。
マンギュ・パスチカ主任監察官は今回の爆破について、テロ対策班が現在追っている別の容疑者達によって洗脳・訓練された自爆テロ犯の仕業であると見ている。
写真は髭を剃り髪を短く刈った3人の若者の遺体の頭部を写したもの。ラジャレストランとクタ地区のレストラン爆破の実行犯のものだとされるその頭部は目を大きく見開き、腕と肩の一部と一緒に黄色い法医学調査用シートの上に置かれていた。
遺体の胴体の部分はほとんど残っておらず、彼らがロンドンの地下鉄テロ犯と同様に爆弾を身体に付けていた可能性が高く、自爆テロに間違いないと警察は見ている。
「3ケ所から広範囲に飛び散った遺体の破片が見つかっている。身体の中心部分がすっぽりとなくなり、そこら中に肉の破片が飛び散っており、頭部は遠くに飛ばされ、特にジンバランでは爆破地点から25mも離れていた。これらを総合して考えると、自爆テロの可能性が高いと思われる。」とパスチカ主任監察官。爆弾を包んでいたと思われる布も発見されているとのこと。
また、バリでホリディ中の家族が、携帯電話で撮ったというビデオ画像も公開された。その画像には、黒か紺のTシャツを着てデイパックを背負った若者が一瞬立ち止まりながらレストランに入って行き、しばらくして白い閃光と火柱が立ち上る様子がおさめられている。
爆破に使われたのは破壊力の高いTNT約10キロで、法医学捜査班によると殺傷能力を高めるため鋼球が詰められていたという。パスティカ主任監察官は昨年オーストラリア大使館爆破テロで使われた爆弾と同一種ではないと見解。
同主任監察官は、インドネシア警察が今回の爆破テロと類似点があるロンドン地下鉄テロの捜査を行ったロンドン警視庁とまだ連絡をとっていないこと、また犯人追跡のためバリ島の警備を強化したが、毎日何千人もが出入りするフェリーのアクセスポイントや港の全てをパトロールするのは不可能だということを述べた。