オークランド - フィジーを訪れていたオーストラリア人観光客、トーマス・マックスウェル・モコスカーさん(55歳)は同性愛者間の性行為の罪で容疑をかけられた。
容疑を覆す内容の高等裁判所での勝訴を受け、モコスカーさんは8月にやっとオーストラリアの自宅に戻った。検察官は裁判所の決定に異議を申し立てており、上告裁判は来年行われる予定。しかし、裁判所がモコスカーさんに対し再度フィジーへ来るように要求するかは不明。
モコスカーさんとフィジー在住の男性、ディレンドラ・ナダンさんは4月、治安裁判所にて同意の上での性行為にも関わらず、同性愛者間の性行為を理由に有罪となった。刑務所で1週間を過ごした2人の男性は、上告裁判が開かれている間釈放されたが、5ヶ月後に上告裁判が閉廷するまでの間フィジーから出国することを禁止された。
高等裁判所は法律に基づき、モコスカーさんとナダンさんに有利な判決を言い渡し、その判決は社会的道徳面において非常に保守的なフィジーで議論を呼ぶことになった。フィジーの首相は、同性愛は罪であり、違法とみなされるべきだと考えている。
高等裁判所のウィンター判事は、1997年のフィジー憲法では、プライベートな同性愛的行為は違法行為ではないことを示した。モコスカーさんのフィジーの弁護士は交差上告をしたいと考えており、ナダンさんのためにも同性愛者が公の場でキスをすることを許可するなど、同性愛者の権利を守る判決を勝ち取りたいと語った。