オーストラリア人は「自分達は世界で最も精神的に安定している国民だ」と認識しているが、実際はそれほどでもないとの調査結果が報告された。
ジャーナル・サイエンス誌はそれぞれの国民が認識している自国の国民性と外から見た評価結果を比べ、それが大きく異なっていることを示す結果を発表。オーストラリア人は、他の多くの国と同じく、自国をかなり誇大評価していることがわかった。
「オーストラリア人は、自分達を世界で最も大らかで、岩のように精神が安定していると考えています、しかし世界的にみると、実際には中間くらいです。決して不安定だというわけではありません。ごく平均的なんです」とオーストラリアの調査を担当したタスマニア大のジェーン・シェイクスピア-フィンチ心理学博士。
さらにオーストラリア人は自分達を世界で最も外交的だとも考えているようだが、実際に最も外交的だと世界的に評価されたのは北アイルランド人だった。
この調査は49ケ国の4000人に自国の国民性について質問し、その認識度を他国に住む11000人が回答した国別印象結果と比較したもの。結果、国民性のステレオタイプはあてにならず、例えばドイツ人は他国の人々が感じているより自分達を良心的だと考えていて、カナダ人は自分達が思っているほど人当たりはよくないとの評価を他国から受けている。
「どの国の人々も自分達が平均的だと思いたくないようです」と博士は説明する。「この調査の結果、国民性のステレオタイプは誇張されたものが多いことがはっきりしました。国に対する偏見や差別は、他国が自国と大きく異なっていると考えることからはじまります。しかしパーソナリティは地理的なものでなく、遺伝など生物学的な影響を受けて形成されているといえるでしょう」
国民性のステレオタイプは神話や文学に見られる”ロマンチックな理想”によっても形成されると博士はつけ加えた。