勃起不能症の治療薬バイアグラが、世の男性のセックスライフの向上だけでなく、絶滅の危機に瀕している動物達の救世主になる可能性があることを示す研究結果が発表された。
オーストラリアとアメリカの合同研究チームは、香港の漢方薬クリニックで50歳から76歳の男性250人に調査を実施。それによると中国人男性は、勃起不全の治療にアザラシの睾丸、タツノオトシゴ、ヤモリ、虎の骨、ウミガメ等の伝統的治療薬より、バイアグラなど西洋医薬を好んで使っていることがわかった。
「この結果から考えると、バイアグラが、勃起不全の治療薬としてこれまで使われてきた絶滅危惧種の動物達の売買取引を減少させていると言えるでしょう」と環境保護ジャーナルの筆者は語る。
この研究はバイアグラの製造元、ファイザー製薬から資金援助を受け、NSW大の心理学者ビル・ボン・ヒッペル氏、アラスカ大の生物学者フランク・ヒッペル氏兄弟の指揮により行われた。
前回の調査結果と比較すると、カナダを例にとれば、バイアグラの導入後、アザラシの睾丸の取引価格は100ドルから20ドルに落下。しかし関節痛や通風、消化不良など他の慢性疾患には依然として漢方薬の方が人気があるという。漢方薬愛用者は一般的に、西洋医薬の使用を好まないとされてきた。例えば、アスピリンがこれほど世界的に普及していても、虎の骨は依然として痛み止め治療に多く使われている。
しかし、ヒッペル氏は勃起と頭痛は同じ土俵で比べられるものではないと指摘。「効果と入手し易さのどちらにおいても、勃起不全の治療に関して言えば、バイアグラに勝るものが伝統治療薬の中にはないと言えます」
現在、勃起不全治療薬としてオーストラリア国内で他に使用が認められているものには、シアリスとレビトラがある。