キャンベラ 3日 - ヘロイン密輸容疑でシンガポールで死刑判決を受けたオーストラリア人、ニュエン被告(25歳)。オーストラリア政府はニュエン被告の死刑判決の変更をシンガポール政府に対し嘆願してきた。しかし、シンガポール政府は再びその要求を却下した。
シンガポールのジョージ・イエオ外相はアレクサンダー外相と労働党のケビン・ラッド氏宛てに手紙を送り、ニュエン被告の死刑判決に対し寛大な措置はとらないという前決定を改めて強調した。シンガポール政府は先月、ニュエン被告に対する寛大な措置を拒否したものの、オーストラリア政府はニュエン被告を救済する努力を続行してきた。
イエオシンガポール外相は、「ニュエン被告のご家族やオーストラリア国民の多くが、大統領の決定を理解できないことは十分承知しています。私が言えることは、大統領や国会議員たちはニュエン被告の個人的事情や今後の薬物密輸の情報源としての役割を含む、あらゆる要素を考慮したが、その罪の重大性と薬物密輸に対する我が国の立場を強固なものにするためにも、決定を変更するわけにはいかないということです。」同外相はまた、この決定は十分議論された上での決定であることを主張した。
アレクサンダー外相は、オーストラリア政府としては今後もニュエン被告の救済に向けて努力を続ける意思を示したものの、救済の見込みは非常に低いことを認めた。
ニュエン被告の母親はエリザベス女王に息子を救済して欲しいという内容の手紙を送ったが、バッキンガム宮殿のスポークスマンによると、女王はイギリス政府の承認なしに行動を起こすことはないという。