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救急科を訪れるも、治療できず病院内トイレで死亡

[シドニー-9日]シドニー在住の女性が病院のトイレで心臓発作を起こし、緊急治療を待っている間に死亡した事故はNSW州の医療システムに落ち度があったと検死官は述べた。

二児の母であったシャロン・ブロフィさん(当時34才)は、2004年の3月26日、胸の痛みを訴えてキャンベルタウン病院の救急科を訪れていたが、診察を受けることなく、1時間半後に女子トイレの中で死亡。
その前日、彼女はまずキャンベルタウン・メディカル・センター内の一般開業医を訪れ、翌朝、さらに同センターの別の医師に会って心臓の状態を調べるための血液検査を受けた。しかし、彼女が非常に危険な状態であるとの検査結果が医師に届けられたのは、その日の夜、彼女の死の6時間後だった。彼女は2人の開業医に会うも埒があかず、キャンベル病院の救急診療科に向かうも治療を受けられず死亡したのだった。

彼女の死を巡って3日間の審問が行われた結果、カール・ミロヴァノヴィッチ検死官代理は州の医療システムに非があったとの結論に至った。
ミロヴァノヴィッチ氏は、ブロフィさんの死は個人の責任ではなく、緊急治療が必要な患者を見極められず、また適切な治療も提供できなかった医療システムの問題だと強く非難し、早急な医療システム改革を要請した。
「この問題はいつも同じ結論に達します。単純に、もっとたくさんの病院、医師、そしてスタッフが必要がなんです」

ジョン・ハトジスタゴス厚生相はブロフィさんの家族に謝罪する予定。またキャンベルタウン病院は現在、同じような悲劇が2度と起こらないよう、医療体制の見直しを行っている。

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